ルサール、LMEでのアルミの直接販売を検討

●対ロ制裁を受け製品の買い手を見つけることが困難に

●ウラジオストックからアジアのLMEの倉庫会社に供給する計画か

ロシアの鉱業大手ルサールは、ロンドン金属取引所(LME)で取引される製品を保管する倉庫会社に製品を直接販売する方針だ。ブルームバーグがこのほど報じたもので、ロシアに対する経済制裁の影響を受け製品の買い手を見つけることが困難になっていることが背景にある。具体的には、極東のウラジオストックからアジアにある倉庫会社に供給することを計画している模様だ。

ルサールは経済制裁の対象外だが、欧米の大手企業は同社との取引を敬遠するようになっている。またロシア国内の景気の後退により金属需要が低迷しており、同社は在庫を抱えている。直接販売に際してはまず、試験的に製品を少量供給することを検討している。

LMEは製品の品質と取引の信頼性を担保する証書を出しており、証書の保有者に代わり製品を保管する倉庫会社の認証を行っている。ただルサールがLMEでの販売に乗り出すことについては、大量の製品が流入しLMEと世界市場との価格差が生じる可能性があるとの懸念も出ている。

同国の非鉄金属大手ノリリスク・ニッケルの筆頭株主であるウラジーミル・ポターニン氏は今年7月、ルサールからの合併提案を受け協議に入る意向を表明している。

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