パワートレイン大手の独ヴィテスコ・テクノロジーズがグローバルに展開しているサプライチェーンの短縮を計画している。コスト削減を最重視する部品調達の脆弱性がコロナ禍をきっかけに露呈したうえ、独裁国家で事業を展開するリスクが強く認識されるようになっているためだ。たとえ1つの部品であっても供給が止まれば最終的に車両生産の停止につながることから、そうしたリスクの回避を目指す。アンドレアス・ヴォルフ社長がdpa-AFX通信に明らかにした。
具体的にはこれまで中国製の中間財を調達してきた顧客企業に、「この中間財を(工場のある)欧州や米国で直接、調達した場合、コストはどうなるかと尋ねている」という。同社長は、サプライチェーンの寸断や支障で発生するコストはこれまで十分に考慮されてこなかったと指摘。今後はこうしたコストも織り込む必要があるとの認識を示したうえで、「サプライチェーンは今後、地域化が進むでしょう」と述べた。