●同国は旅客機フリートの95%をボーイングとエアバスから調達
●国営アエロフロートを含め業界が部品用に運用機の一部を解体
ロシア国営の航空宇宙・防衛企業ロステックは、2030年までに国内部品調達で航空機1,000機を製造する計画だ。ウクライナ戦争による経済制裁で国外からの調達が不可能になったためだが、これを航空産業の自立の機会とみている。ロステックがこのほど、ロイター通信に書面で明らかにした。
ロステックは「今年から西側諸国との国際提携に依存しない」としているが、技術部品はこれまで輸入に大きく依存しており、国内調達は難題だ。ハイテク技術開発は国際協力、特に欧米の関与が不可欠であり、単独あるいは経済制裁に加わっていない国との提携で開発するのは非常に困難と見られる。
ロシアは旅客機フリートの95%をボーイングとエアバスから調達している。ロステックは「外国機がロシアのフリートから脱落し、ボーイングとエアバスからロシアは二度と旅客機を調達しない」と強気だが、ロシアが経済制裁により何年も技術開発で後れをとることは必至とみられる。
国内航空業界では部品調達難への準備態勢に入っている。外国機を少なくとも2025年末まで運用できるよう、政府が航空会社に対しフリート機の一部をスペアパーツ用に確保する指示を出したことを受け、国営航空会社アエロフロートを含め業界が部品用に運用機の一部を解体していることを業界関係者が8月、ロイター通信に明らかにしていた。