輸入物価が74年以来の上げ幅に、8月は32.7%

ドイツ連邦統計局が7日発表した8月の輸入物価指数は前年同月比32.7%増となり、1974年3月以来の大幅上昇を記録した。5月から7月までの3カ月間は上げ幅が縮小していたが、8月はエネルギー価格の上昇率が前月の131.7%から162.4%へと拡大し、物価が押し上げられた。

エネルギーを最も強く押し上げたのは天然ガスで、上げ幅は前月の223.6%から306.3%に拡大した。ロシアがバルト海経由のガス管「ノルドストリーム1」の供給量を7月末に従来の40%から20%に引き下げたことが反映されたもようだ。8月末以降は供給を停止していることから、9月は天然ガス価格の上げ幅が一段と拡大した可能性がある。

電力は取引所価格で464.5%の上げ幅を記録した。同価格は天然ガス価格に連動していることから上げ幅が膨らんだ。

石炭は192.1%と高水準に達したものの、前月の260.8%からは縮小した。石油製品は77.4%(前月83.2%)、原油は58.8%(64.7%)だった。エネルギーを除いたベースでは輸入物価の上昇率が13.2%で、前月を0.8ポイント下回った。

中間財の上げ幅は前月の18.8%から16.8%に低下した。上昇率が特に大きかったのはこれまでに引き続き肥料・窒素化合物で、145.1%に上った。アルミニウム(50.3%)、紙(40.1%)、銑鉄・鉄鋼・鉄合金(18.7%)、バージン・プラスチック(15.3%)なども大幅に上がった。バージン・プラスチックと銑鉄・鉄鋼・鉄合金は前月比ではそれぞれ3.1%、2.8%低下している。

投資財は前年同月比の上げ幅が7.8%となり、前月を0.1ポイント下回った。機械は8.6%、自動車・自動車部品は7.0%だった。

耐久消費財は前月と同じ9.8%。

非耐久消費財は前月の13.1%から13.4%に拡大した。食料品は24.1%で、牛乳・乳製品は37.2%、動植物性油脂は32.8%、食肉・肉製品は25.7%に上った。

農産物は17.8%高くなった。コーヒー生豆が44.1%、穀物が37.5%上昇している。穀物は前月比では0.9%低下し、3カ月連続で下落した。

輸入物価指数は前月比では4.3%上昇し、ウクライナ戦争勃発直後の3月以来の大きな上げ幅となった。エネルギーは18.9%増で、エネルギーを除いたベースでは上げ幅が0.1%にとどまった。

8月の輸出物価指数は前年同月比18.6%増となり、74年10月以来の大きな上げ幅を記録した。全体を最も強く押し上げたのはエネルギーで、上昇率は223.3%に達した。同物価全体に占める比重が約3分の1に上る中間財は17.2%で、肥料・窒素化合物は130.4%、紙は36.5%に上った。輸出物価の前月比の上昇率は2.1%だった。

上部へスクロール