ドイツ連邦統計局と連邦経済省が6日発表した8月の製造業新規受注指数(2015年=100)は物価・季節・営業日数調整後の実質で前月を2.4%下回る105.2(暫定値)となり、ウクライナ戦争勃発直後の3月以来の大きな下げ幅を記録した。減少は2カ月ぶり。前年同月比の減少幅は4.1%に上った。経済省は戦争と天然ガス価格の高騰、メーカーの先行き懸念を踏まえ、年内は製造業の景気不振が続くとの見方を示した。
国内受注が前月比で3.4%、ユーロ圏(ドイツを除く)が同3.8%減り、全体を強く押し下げた。ユーロ圏外は0.4%減だった。
部門別では中間財が4.2%減と大きく落ち込んだ。減少は3カ月ぶり。国内が6.6%減と後退幅が特に大きかった。
投資財も2.4%縮小した。ユーロ圏が大幅増となった前月(+15.7%)の反動で7.3%減少し、足を強く引っ張った。
消費財は5.2%増加した。前月は15.9%減と大きく落ち込んでおり、8月は反動増となった。
業界別でみると、「その他の輸送機器」が45.7%減と前月に引き続き大幅に落ち込んだ。また、電気設備は前月の2ケタ増から16.0%減へと大幅に悪化した。化学品は3.4%減だった。構成比重の大きい自動車・自動車部品と機械はそれぞれ4.7%、3.8%増加。医薬品(6.8%増)とデータ処理装置/光学製品(2.5%増)も前月を上回った。
7月の製造業新規受注は当初の前月比1.1%減から1.9%増へと上方修正された。航空宇宙分野で国外から大型受注があったことが事後的に報告されたことから、大幅に引き上げられた。7月は大型受注が多かったことから、8月は大型受注を除いたベースの新規受注高では0.8%増加している。
8月の製造業売上指数(暫定値)は物価・季節要因・営業日数調整後の実質で前月を1.0%上回った。ただ、売上水準は新規受注を下回り続けており、製造業の受注残高は拡大基調が止まらない。
7月の製造業売上指数は当初の1.8%減から2.0%減へと下方修正された。