インフレ率が統一後最高に、エネ高騰や時限措置の終了で

連邦統計局が13日発表した9月の消費者物価指数は前年同月比で10.0%上昇し、東西ドイツ統一後最高のインフレ率を記録した。エネルギー価格の高騰とそれに伴う幅広い分野での値上げに加え、これまで物価上昇を抑制してきた政府の時限措置が8月末で終了したことが大きい。

政府は高インフレに苦しむ世帯の負担を軽減するため、6月から8月までの3カ月間、自動車燃料税を引き下げたほか、月9ユーロで全国の地域公共交通機関を利用できる定期券「9ユーロチケット」を導入した。その効果で交通費の上昇率は比較的、小幅にとどまっていた。9月はその反動で、上げ幅が14.0%に達し、前月の同3.7%から大きく拡大した。

物価を最も強く押し上げているエネルギーの上昇率は43.9%となり前月の35.6%を大幅に上回った。自動車燃料税の時限引き下げが終了したことから同燃料は前月の16.5%から30.5%へと拡大している。灯油は108.4%、天然ガスは65.1%、電力は21.0%だった。

エネルギーを除いたインフレ率は6.0%で、前月の4.7%を大幅に上回った。エネルギー以外の商品でも価格が上昇しているためだ。

食料品の上げ幅は前月を2.1ポイント上回る18.7%となり、7カ月連続で拡大した。食用油脂は49.0%、乳製品・卵は29.1%、食肉・肉製品は19.5%、パン・穀物製品は18.5%だった。エネルギーと食料品を除いた基礎インフレ率は4.6%(前月3.5%)となっている。

サービスの上げ幅は前月の2.2%から3.6%へと急拡大した。9ユーロチケットの終了が反映されている。上げ幅が大きかったのは住宅修理・メンテナンス(13.9%)、パック旅行(10.4%)、外食(8.5%)。

前月比のインフレ率は1.9%で前月の0.3%から大幅に拡大した。家計負担軽減の時限措置が終了したためで、近距離鉄道料金は82.5%、バスや鉄道など様々な交通機関を利用できるチケットは175.3%、自動車燃料は12.5%上昇した。食料品は同1.8%。家庭用エネルギーは4.5%、衣料品・靴は4.7%だった。パック旅行は季節柄、10.9%低下した。

欧州連合(EU)基準のインフレ率は前年同月比が10.9%、前月比が2.2%だった。

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