EU統計局ユーロスタットが14日に発表した8月の貿易収支(速報値、季節調整前)統計によると、ユーロ圏の収支は509億ユーロの赤字だった。赤字幅は前月の340億ユーロから大きく膨らみ、ユーロ圏がリトアニアの参加で19カ国体制となった2015年以来の高水準に達した。(表参照)
赤字となるのは10カ月連続。ロシアのウクライナ侵攻で輸入依存が高いエネルギーの価格が急騰し、輸入額を押し上げる状況が続いている。前年同月は28億ユーロの黒字だった。
輸出は前年同月比24%増の2,311億ユーロ、輸入は53.6%増の2,821億ユーロ。EU27カ国ベースでは輸出が24.2%増の2,071億ユーロ、輸入が56.4%増の2,718億ユーロで、647億ユーロの赤字となった。赤字幅は前年同月の71億ユーロを大きく上回った。
EUと主要貿易相手国の1~8月の収支をみると、対ロシアはエネルギーの輸入額が急増する一方、経済性で輸出が減っている影響で、赤字が前年同期の373億ユーロから1,150億ユーロに拡大した。対日はほぼ収支ゼロ、対米は1,000億ユーロの黒字、対中は2,590億ユーロの赤字だった。