●海藻と魚を一緒に育て、栄養豊富な海藻の繁殖を図るもの
●真水や肥料は不要、飢餓や栄養不足の解消に期待
イスラエルのテルアビブ大学の研究者らはこのほど、食用の海藻の繁殖技術開発に成功した。同技術は海藻と魚を陸上の養殖施設で一緒に育てることで栄養素やプロテイン、食物繊維やミネラルを豊富に含む海藻の繁殖を図るもので、真水や肥料を必要としないのが特長だ。
同技術の開発を主導したのは同大学の大学院生ドロン・イエフダ・アシュケナージ氏で、アオサや紅藻の一種のグラシラリア(Gracilaria)及びヒプネア(Hypnea)など、同国にある海藻を魚の排泄物を含んだ水の中で繁殖させるのが特徴だ。それにより成長が早まる他、プロテインやミネラル、食物繊維の含有量を増やすことを可能にした。
同氏は繁殖させた海藻を飢餓や栄養不足に苦しむ人々に供給したり、ベジタリアンやビーガン向けに提供することができると考えている。また化粧品や動物の餌に利用できる可能性もある。
同技術の開発には同氏の他、ハイファのイスラエル海洋・陸水学研究所(IOLR)やIOLR海洋文化センター、バル・イラン大学の研究者も参加している。今回の研究は学術誌『イノベーティブ・フードサイエンス・イマージング・テクノロジーズ』に掲載された。