EU域内で販売されるスマートフォンなど携帯型電子機器の充電器の端子を「USB-C」と呼ばれるタイプに統一する指令案が24日、加盟国の関連担当相理事会で承認された。これによって同指令案が成立し、新ルールが近く発効する。
対象となるのはスマホやタブレット端末、デジタルカメラ、ヘッドホン、ポータブルスピーカー、携帯型ゲーム機、ノートパソコンなど。24年に統一が義務付けられる。ノートパソコンについては、施行から当面は猶予期間とし、他の品目より16カ月遅れの26年に義務化される。
「USB-C」の端子は、米グーグルの基本ソフト(OS)「アンドロイド」を搭載したスマホなどに対応するもの。米アップルはタブレット端末「アイパッド」など一部の最新機種で同端子を採用しているが、主力のスマホ「アイフォーン」では独自規格の「ライトニング」を使っており、対応を迫られる。
EUは廃棄物削減、消費者の利便性の観点から、電子機器充電器の端子の共通化が必要として、2009年からメーカーに業界内で自主的に規格を統一するよう働きかけてきた。その結果、携帯電話用充電ケーブルの端子の規格は30種類から「USB-B」「USB-C」「ライトニング」の3種類まで絞り込まれた。
それでも、完全統一に至っていないことから、欧州委員会が規制化に踏み切ることを決め、「USB-C」に統一することを義務付ける指令案を21年9月に発表した。欧州議会と加盟国は6月、「USB-C」に統一することで合意。欧州議会は4日に承認済みで、今回の加盟国による最終承認で正式に発効する。