欧州中央銀行(ECB)は10月27日に開いた定例政策理事会で、政策金利を0.75ポイント引き上げることを決めた。物価高に歯止めがかからないため、9月に続いて通常の3倍となる大幅利上げに踏み切った。
利上げは3会合連続。主要政策金利は1.25%から2.0%、民間金融機関が余った資金をECBに預け入れる際の金利(中銀預金金利)は0.75%から1.5%に引き上げられる。2009年以来の高さだ。新金利の適用は11月2日から。
ECBはロシアのウクライナ侵攻などの影響でエネルギー、食品価格が高騰していることを受けて、7月に11年ぶりの利上げを実施。政策金利を0.5ポイント引き上げた。それでも効果がなく、ユーロ圏のインフレ率が過去最高を更新し続けているため、9月に0.75ポイントの追加利上げを実施した。
ユーロ圏では景気後退のリスクが高まっており、イタリアなど一部の国でECBの急激な金融引き締めに難色を示す声が出ている。それでも、ラガルド総裁は理事会後の記者会見で、ECBが物価の番人であることを強調し、追加利上げへの理解を示した。