ロシア中銀が7.5%に金利据え置き、インフレリスクを警戒

●中銀は前回まで6会合連続で利下げ

●部分動員に起因するインフレリスクにも言及

ロシア中央銀行は10月28日の金融政策決定会合で、主要政策金利の7日物入札レポ金利を7.5%に据え置くことを決めた。中銀は前回まで6会合連続で利下げを行っていた。インフレ率の低下が続く中、インフレリスクの高まりを警戒し追加利下げを見送った。

同国のインフレ率は9月に13.7%となり、前月から0.6ポイント縮小した。インフレ率の低下は5カ月連続。通貨ルーブル高に加え、消費者および企業マインドの悪化に伴い内需の伸びが鈍化したことが大きい。中銀の21日時の推定では12.9%まで下がっている。 今後について中銀は、世界的な景気後退への懸念が高まり、外需をさらに弱めた場合、ルーブル安が引き起こされかねないと予想する。今年の年間インフレ率については12~13%とし、9月の予測(11~13%)から最低値を引き上げた。来年は5~7%まで低下し、2024年に4%の目標値に戻ると予想する。

中銀は声明で、国内の企業は「かなりの割合で」生産と物流の問題に直面していると指摘。ウクライナ侵攻に伴う部分動員令について、労働市場の制約を強めているとしたうえで、「今後数カ月は消費者需要とインフレを抑制する効果があるが、その後は供給側の制限となってインフレリスクを高めるだろう」と分析した。

また、短期的にはインフレとディスインフレの間に均衡が保たれているものの、中期的にはインフレリスクが勝るため、インフレ率を目標の4%に戻して維持するためには引き締め政策が必要になる可能性があるとした。

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