大和ハウス工業は2日、ドイツに工場を確保したと発表した。同国の住宅需要拡大を踏まえた措置。中国、オランダに次ぐ海外3カ国目の製造拠点となる。
施設管理や運営を手がけるルクセンブルクのキャピタルベイグループと共同でオランダに設立した合弁会社ダイワハウスシービー(DHCB)が独ベルリン近郊のフュルステンヴァルデ市にある既存工場(元鉄工所)を10月に取得した。大幅に改修し、2023年春に稼働を開始する予定だ。
ドイツは移民や難民を積極的に受け入れるなど、人口が増加している一方で、住宅が不足し、職方不足も深刻化している。大和ハウスはこれまでオランダの自社工場で鉄骨ユニットを生産してドイツに供給してきたが、旺盛な需要に対応するためドイツに製造拠点を開設することにした。主なターゲットは需要が多く見込まれる高齢者施設。このほか、供給が不足している集合住宅や学生寮にも提供していく。まずは年2,500ユニットを生産する。
環境の整った工場内で品質の安定した鉄骨ユニットを生産して現場で組み立てるモジュラー建築を行う。これにより施工期間が短縮されることから、住宅・職方不足の緩和に寄与できる。また、廃棄物の工場内再利用が可能なため、建設廃棄物を削減できる。さらに、使用した鉄骨ユニットは分解して再利用が可能なことから、在来工法と比べて二酸化炭素(CO2)排出量を約50%削減できる。