独機械業界が内燃機関車の禁止に反対

ガソリン車など内燃機関の新車販売を2035年から事実上禁止する法案の内容で欧州連合(EU)閣僚理事会と欧州議会、欧州委員会が10月下旬に合意したことを、ドイツ機械工業連盟(VDMA)が批判している。同連盟は7日、炭素中立のグリーンな合成燃料を用いれば内燃機関車は「グローバルな気候保護のための解決策の一部」になると指摘。内燃機関車の全面禁止に疑問を投げかけた欧州委のティエリー・ブルトン委員(域内市場担当)に対する支持を表明した。

ブルトン氏は3機関の合意後、35年以降に販売できる車両を実質的にBEVに一本化すると、複雑かつ良く構築されたバリューチェーンが危険にさらされ、自動車産業内外の雇用が大量に失われかねないと指摘。また、重要資源の不足を加速させる恐れもあると懸念を示した。欧州の製造業が回復不能な打撃を受けるリスクを心配している。

VDMAはBEVへの一本化を避け、炭素中立の合成燃料も使用できるようにすれば、そうしたリスクを回避できると判断。「効果の高い気候保護を迅速に実現するためには、気候に優しい駆動装置のすべての選択肢が利用されなければならない」としている。

3機関はBEV一本化への批判を踏まえ、26年の時点で欧州委がゼロエミッション化に向けた進捗状況を評価して、必要に応じてプラグインハイブリッド車(PHV)や、合成燃料を含む代替燃料の扱いについて見直しを行うことで合意した。VDMAはこれについて、自動車メーカーもサプライヤーも合成燃料車に絡んだ投資の決定を今すぐに行う必要があると指摘。3機関合意の速やかな見直し要求した。

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