独複合企業ティッセンクルップが17日発表した2022年9月通期決算の純損益は11億3,600万ユーロの黒字となり、前期の赤字(1億1,500万ユーロ)から大幅に改善した。経営再建が奏功したほか、素材・鉄鋼価格が大幅に上昇したことが大きい。経営陣は4年ぶりに復配する意向だ。
営業利益(EBIT、調整済み)は前期(7億9,600万ユーロ)の2.6倍の20億6,200万ユーロに拡大した。鉄鋼部門で10倍強の12億ユーロに急増。マテリアル・サービス部門も43%増の8億3,700万ユーロと好調だった。売上高は12%増の442億9,700万ユーロで、売上高営業利益率は2.3%から5.0%へと上昇した。
23年9月期は業績悪化を予想している。鉄鋼価格が下落しているうえ、エネルギー価格が高騰しているためで、営業利益は「1億ユーロのケタ台の半ば~後半」へと下落する見通し。売上高も大幅に落ち込む。周辺事業を22年9月期に数多く売却したためだ。純利益については少なくとも収支トントンを確保できるとみている。