ロシア連邦統計局が16日発表した2022年第3四半期(7-9月期)の国内総生産
(GDP)は前年同期比で4%縮小した。第2四半期の4.1%減に続くもので、ウクライ
ナ侵攻を受けた欧米諸国からの経済制裁がじわじわと効果を表しているもようだ。
分野別でみると、卸が22.6%減と大幅に落ち込んだ。天然資源の輸出減少が影響し
ているとみられる。小売と運輸もそれぞれ9.1%、5.5%減少した。
一方で、建設は6.7%、農業は6.2%拡大した。
ロシア経済は今年第1四半期に3.5%の成長を示した。しかし、ウクライナ戦争で
次々に発動された制裁が経済の足かせとなっている。第4四半期と来年第1四半期は
比較対象となる前年同期の実績が高かったことから、減少幅が広がりそうだ。ま
た、◇動員による戦争経費の拡大◇エネルギー価格の世界的な低下◇天然ガスの対
欧州輸出の大幅減——などもマイナス要因にあげられる。
中央銀行は今月8日の最新経済予測で、22年通期の経済後退幅を3〜3.5%と予想し
ている。国際通貨基金(IMF)と世界銀行もそれぞれ3.4%、4.5%縮小するとみ
る。