太陽光を動力源として走行できるソーラー電気自動車(SEV)を手がける独蘭スタートアップ企業ソノ・モーターズは21日、サプライヤー大手コンチネンタルとの協業を拡大すると発表した。開発中の車両「シオン」向けに新たに先進運転支援システム(ADAS)の供給などを受ける。
シオンは充電をコンセントのほか、車載太陽電池でも行えるタイプの電気自動車(EV)。リチウムイオン電池でなく、リン酸鉄リチウムイオン(LFP)電池を搭載している。フル充電で最大305キロメートルを走行できる。ソーラー発電により航続距離が週平均で112キロ(最大で245キロ)拡大することから、大都市で通勤に用いる場合の充電回数は電池だけを搭載する通常の電気自動車(BEV)の最大4分の1まで減少するという。2023年下半期の生産開始を計画している。
コンチネンタルとは18年に協業を開始した。モーター、車両制御ソフト、エアバッグ制御装置、パワートレインの熱管理などの分野で協力を受けている。新たにADASの供給を受けることで、シオンの安全性・快適性が高まるほか、今後強化される欧州連合(EU)の道路安全規制「一般安全規則(GSR)」に対応できる。