EnBW―発電所の電源をガスに転換、将来は水素を使用―

エネルギー大手の独EnBWは17日、シュツットガルト市ミュンスター地区にある熱電併給型火力発電所の電源を石炭からガスへと切り替えるプロジェクトで、当初から水素燃料を投入できるようにする計画を明らかにした。約3年後の稼働開始時点ではもっぱら天然ガスを使用するものの、グリーン水素市場の動向をにらみながら混焼へと移行。将来的にはグリーン水素を100%用い、炭素中立を実現する意向だ。

エネルギー設備大手シーメンス・エナジーからガスタービン「SGT-800」2基などを調達する。同タービンは発電容量が1基当たり62メガワット。まずは2024年の引き渡し時点で水素を最大75%混ぜて燃焼できるようにする。

水素をいつからどの程度の割合で混焼するのか、また水素100%をいつ実現するのかは未定。EnBWは十分な量のグリーン水素が採算の取れる価格で調達できるようになることが前提だとしながらも、10~12年で水素を100%使用できるようになるとの見方を示した。

同社はシュツットガルト近郊のアルトバッハ・ダイツィザウ発電所でも電源を石炭からガスに切り替えるプロジェクトを進めている。両発電所が25~26年に稼働を開始すると、シュツットガルトとその周辺地域からは石炭発電所が姿を消すことになる。

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