ロシア国産車「モスクビッチ」が生産再開、ルノー撤退後のアフトワズ工場で

ロシアが国産自動車ブランド「モスクビッチ(Moskvitch)」の生産を再開した。
現地通信社インターファクスによると、新型「モスコビッチ3」は中国自動車メー
カー、江淮(JAC)のコンパクトSUV「S4」を模倣したもので、出力150PSのガソリ
ンエンジンモデルに続き、年内に電動モデルも生産導入する計画という。販売開始
は来年第1四半期(1-3月)を見込む。
ロシア自動車業界は、ウクライナ軍事侵攻後の対露経済制裁の流れで外国自動車
メーカーの事業撤退が相次ぎ、今年1-10月の新車販売台数は前年同期比で60%も落
ち込んだ。政府は外資撤退後の業界を立て直すため、国内自動車最大手アフトワズ
の乗用車ブランド「ラーダ」に加え、「モスコビッチ」を再導入することを決め
た。同ブランドは1947年にソ連体制下の国産車として生産開始したが、ソ連崩壊
後、競争力がなく2001年に生産停止となった。
「モスコビッチ」の生産拠点となるアフトワズは5月、筆頭株主のルノーが出資
シェア68%を国営企業に売却したことにより、完全国営会社になった。産業省によ
ると、同工場はこれまで操業を停止していたが、「モスコビッチ」の生産開始によ
り約4万人の雇用を確保できるもようだ。

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