エネルギー設備大手の独シーメンス・エナジーは19日、風力発電機子会社シーメンス・ガメサ・リニューアブル・エナジー(SGRE)への株式公開買い付け(TOB)で、すでに保有する分も含め株式92.72%を確保したと発表した。今後は来年初頭にもSGREで臨時株主総会を開催して同子会社の上場を廃止する。最終的にはSGREを完全買収して自社に統合することを目指しており、TOBに応じなかった株主からの買い取りを今後も目指す意向だ。
SGREはスペインに本社を置く子会社で、シーメンス・エナジーは株式67.1%を持つ。SGREは陸上風力発電機事業のコスト膨張や生産トラブルなどの問題を抱える。シーメンス・エナジーは役員の入れ替えなどを通して業績改善に努めてきたが、成果が出ないことから、完全傘下に収め、再建を速やかに進める意向だ。SGREの統合後3年以内に最大で年3億ユーロのシナジー効果を見込んでいる。
シーメンス・エナジーから派遣されているSGREのヨッヘン・アイクホルト社長は『フランクフルター・アルゲマイネ』紙に、SGREの完全買収を来年末までに達成できるとの見方を示した。シーメンス・エナジーはこれに関してコメントを控えている。