カスタムセルズ―6000万ユーロを調達、航空機分野などに投入―

リチウムイオン電池セルの開発・製造を手がける独スタートアップ企業カスタムセルズは8日、シリーズAの投資ラウンドで総額6,000万ユーロを確保したと発表した。調達した資金は航空機向け電池、研究開発の強化、事業の国際化に充てる。ディルク・アーベントロート最高経営責任者(CEO)は、「電池セルの国際市場で新たにプレミアム部門を創り出すことがわが社の狙いだ」と語った。

カスタムセルズはフラウンホーファー研究所からのスピンオフとして2012年に設立された。幅広い分野の顧客向けに高性能セルの開発、プロトタイプ生産、量産をオーダーメイドで行っている。昨年には高級車大手のポルシェと共同で車載電池セル開発・製造の合弁会社セルフォース・グループを設立した。

今回の投資ラウンドは気候テックに的を絞って投資する欧州ベンチャーキャピタル、ワールド・ファンドがリード投資家となって行われた。ファミリーオフィスの独アバコン・キャピタル、および既存の出資者であるポルシェとブイスクエアド・ベンチャーも参加している。ワールド・ファンドの共同設立者であるダリア・サハロバ氏は、「カスタムセルズには航空のディスラプション(革新的なイノベーション)を可能にし、それによって業界全体を速やかに脱炭素化するチャンスがある」と強い期待感を示した。

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