Ifo経済研究所が19日発表した12月のドイツ企業景況感指数(2015年=100)は前月を2.2ポイント上回る88.6となり、2カ月連続で大きく上昇した。景況感の改善は3カ月連続。調査担当者は景気後退局面に陥る可能性を排除できないとしながらも、そのリスクは低下したとの見方を示した。
今後6カ月の見通しを示す期待指数が3.0ポイント増の83.2と特に大きく伸びた。同指数の改善は3カ月連続。現状判断を示す指数は1.2ポイント増の94.4となり、7カ月ぶりに好転した。
景況感を部門別でみると、製造業は大幅に上昇。ほぼすべての業界で改善した。受注残高は減少しているものの、先行き不透明感が弱まっており、期待指数が大きく上昇した。現状判断も改善している。
サービス業の景況感指数は前月に引き続き大きく上昇した。先行きへの悲観が弱まったことが大きい。現状判断も改善した。
流通業の景況感指数は6月以来の高水準に達した。現状を「良い」とする企業は「悪い」とする企業を4カ月ぶりに上回っている。期待指数は依然して極めて低い水準にあるが、悲観的な見方はこれまでよりも弱まった。
建設業の景況感はやや悪化した。現状判断が少し落ち込んだためで、期待指数はわずかに改善している。
輸出見通しも3カ月連続改善
一方、Ifoが20日に発表した12月の独製造業輸出期待指数(DI)は1.6ポイントとなり、前月の0.9ポイントから上昇した。同指数の改善は3カ月連続。直近の底である9月(マイナス5.5ポイント)に比べると7.1ポイント高い水準で、Ifoのクレメンス・フュスト所長は「独製造業は輸出に関して、慎重ながらも楽観しつつ新年を迎えようとしている」との見方を示した。
Ifoは月例の企業景況感調査の一環としてメーカーおよそ2,300社に今後3カ月の輸出見通しを質問している。メーカーは「増える」「横ばい」「減る」のどれかを選んで回答。「増える」の回答比率から「減る」の回答比率を引いた数に季節調整を加味したものが輸出期待指数となる。同指数がプラスの領域にあることは、輸出増回答が輸出減回答を上回っていることを意味する。
12月は主力産業の自動車で前月に引き続き輸出増回答が輸出減を大きく上回った。電機も見通しが明るさを増している。前月に悪化した飲料は好転した。化学、金属、家具では悲観的な見方が強い。