グリーン水素市場の創設に取り組む独H2グローバル財団は8日、連邦経済・気候省と共同でグリーン水素製品の入札説明会をバーチャル形式で実施したと発表した。参加者は500人を超えており、世界初となる同製品の入札に対する関心は大きい。ロベルト・ハーベック経済・気候相は「我々はドイツと欧州をグリーン水素の主導的な市場にしたい」と述べ、水素経済で主導権を握ることに意欲を示した。
H2グローバルはグリーン水素の国際市場を立ち上げる目的で設立された財団で、ドイツ内外の企業が参加している。ハンブルクに拠点がある。
同財団は傘下企業Hintco(ハイドロジェン・インターミディアリィ・カンパニー=水素仲介会社)を通してグリーン水素ベースのアンモニア、メタノール、eケロシンを欧州連合(EU)と欧州自由貿易連合(EFTA)域外から調達し、販売することを計画している。今回の説明会はこれら燃料の調達・販売に向けて実施する入札の準備として行われた。
調達入札ではアンモニア、メタノール、eケロシンをそれぞれ1社から購入する。提示額が最も低い応札者が落札する。契約期間は10年。
販売入札では提示額が最も高い応札者が落札する。販売契約の期間は1年。
調達価格は販売価格を上回ると予想されることから、差額を埋めるために国は総額9億ユーロの補助金を交付する。補助金はアンモニア、メタノール、eケロシンにそれぞれ3億ユーロが割り振られる。
調達するこれら製品の輸送は2024年末~25年初頭に始まる見通し。船舶でドイツ、オランダ、ベルギーなどの港に輸送される。