ドイツ国内の6州は10日、近距離公共交通機関でのマスク着用義務を廃止するとそれぞれ発表した。新型コロナウイルスの新規感染者数と入院患者数がともに低水準で安定していることを受けた措置。同国ではすでにバイエルン、ザクセン・アンハルト、シュレスヴィヒ・ホルシュタインの3州が同義務を廃止している。
今後はザクセン州が16日付、バーデン・ヴュルツブルクが31日付、ベルリン、ブランデンブルク、メクレンブルク・フォーポマーン州が2月2日付、テューリンゲン州が2月3日付で義務を廃止する。テューリンゲンでは感染者の隔離義務もなくなる。
こうした動きを受け、独ラウターバッハ保健相は11日、長距離公共交通機関と病院・介護施設での「マスク着用義務を前倒しで廃止することもあり得る」との見解を週刊誌『シュテルン』のインタビューで表明した。ただ、医療機関がひっ迫しているうえ、病欠する人員が多いとも指摘。「状況を正確に見守って評価を下すことが重要だ」として、廃止時期については現時点で明言できないと強調した。
現行法では長距離公共交通機関と病院・介護施設での感染防止策を国、近距離公共交通機関での感染防止策を州がそれぞれ担当している。期限は4月7日まで。
ドイツでは有力なウイルス学者であるクリスティアン・ドロステン氏がパンデミックは収束したとの見解を表明した昨年末以降、コロナ規制の廃止要求が強まった。与党内ではリベラル派の自由民主党(FDP)がマスク着用義務は人権の不当な制限に当たるとして撤廃を強く求めている。
