ドイツ連邦統計局と連邦経済省が9日発表した11月の鉱工業生産指数(2015年=100)は物価・季節・営業日数調整後の実質で98.1(暫定値)となり、前月を0.2%上回った。増加は2カ月ぶり。新規受注は低迷しているものの、サプライチェーンひっ迫の長期化を背景に受注残高が極めて高い水準にあることから生産は比較的安定している。
部門別でみると、製造業は0.5%増加し2カ月ぶりに拡大した。エネルギー業も8~10月の3カ月に大幅減となったことの反動で3.0%増加。建設業は2.2%減少した。
製造業の内訳をみると、中間財が1.1%、投資財が0.7%の幅で増加した。投資財の拡大は4カ月連続。消費財は1.5%減となり、2カ月連続で落ち込んだ。
エネルギー集約型産業は0.4%増加した。前年同月比(物価・営業日数調整値)では12.9%低下している。
主要産業をみると、構成比重が特に大きい自動車・自動車部品は前月を5.3%上回った。化学品(3.3%増)、コークス・石油加工品(5.0%増)も増加している。機械は横ばいで、製紙(2.5%減)、金属製造・加工(2.3%減)、ガラス・ガラス製品・セラミック(2.5%減)は落ち込んだ。
10月の鉱工業生産は当初の前月比0.1%減から0.4%減へと下方修正された。