ドイツのカール・ラウターバッハ保健相は5日、中国からの入国者に新型コロナウイルスの陰性証明の提示を義務付ける意向を表明した。ラウターバッハ氏はこれまで、同国からの入国を制限する必要はないとしてきたが、欧州連合(EU)加盟国が前日、陰性証明の提示を強く奨励することで合意したことから、足並みをそろえることにした。
最低でも抗原迅速テストでの陰性証明を義務付ける措置が9日付で施行された。証明書の有効期間は48時間。航空会社を通して証明の確認を行う。
中国からの入国者に対しては抜き打ち方式で検査を実施し、変異株に関する情報収集も行っている。また、中国からの航空機の排水を調べ、新たな変異株が含まれていないかどうかをチェックしている。
中国では12月7日にゼロコロナ政策が突然、緩和された。これを受け感染者が急速に拡大している。同国で流行している変異株は欧州のものと同一である可能性が高く、欧州に新たな変異株が持ち込まれるリスクは低いとみられているものの、新型コロナ感染に関する中国政府の情報開示が不十分なことから、世界的に不信感が広がっている。EU加盟国はこの事情を踏まえ、陰性証明の提示奨励を取り決めた。