●独はカザフからの輸入を通じ間接的にロシアに輸送料を支払う
●カザフは今年、独に150万トンを輸出する予定
カザフスタン国営の送油会社カズトランスオイル(Kaztransoil)は13日、1-3月期(第1四半期)にドイツ向け輸出分30万トンをロシア経由で輸送することで、ロシア国営の同業トランスネフチと合意したと発表した。ドイツは年末にロシア産石油の調達を中止したが、カザフスタンからの輸入を通じて間接的にロシアに輸送料を支払う格好となる。
カズトランスオイルは、西部カラチャガナク油田からロシアのドルジバパイプラインを利用、ベラルーシ、ポーランドを経由してドイツに石油を輸送する。1月は2万トンを供給する予定だ。
カザフスタンのボラト・アクチュラコフ・エネルギー大臣は先ごろ、ドイツに今年、150万トンを輸出する予定としたうえで、同国としてはこれを600万~700万トンへ引き上げることができるという見方を示している。実現すれば、対ウクライナ侵攻以前にドイツがロシアから調達していた量(2,000万トン)の3分の1ほどをカバーできる計算だ。
欧州連合(EU)は12月から、原則として加盟国がロシア産石油を海上経由で輸入することを禁止した。しかし、ロシアの施設を経由して第三国から資源を調達することについては制限がない。カザフスタンからロシアを迂回して欧州へ石油を輸出するルートとしては、カスピ海、アゼルバイジャン、ジョージア、トルコを経由する「中央コリドー」が検討されていた。しかし、輸送能力に制限があったり、コストが高かったりで、カザフスタンにとって有利ではなかった。