ポーランド中央銀行(NBP)は4日、主要政策金利である7日物レファレンス金利を6.75%に据え置くことを決めた。金利据え置きは4会合連続。中銀は2021年10月から22年9月にかけて11会合連続で利上げを実施した。現行の高い金利水準がインフレを押し下げていると判断し、金融政策の焦点を経済成長に移した格好だ。ロンバート金利は7.25%に、公定歩合(再割引率)は6.8%に、預金金利は6.25%にそれぞれ据え置いた。
同国のインフレ率は11月に17.5%となり、前月から0.4ポイント縮小した。インフレ率の低下は9カ月ぶり。エネルギー価格の伸びが鈍化したことが大きい。中銀は今後について、企業がコストの上昇を価格に転嫁しているため短期的にはインフレ率は高いままだが、通貨ズロチ高が物価の押し下げ圧力になるとみる。11月時点の予測では、年間インフレ率は23年に11.1~15.3%と高水準になるものの、24年に4.1~7.6%へと低下し、25年には2.1~4.9%と目標値の2.5%に近づく。
国内総生産(GDP)成長率は7-9月期(第3四半期)に前年同期比で3.6%となり、前期から2.2ポイント低下した。10-12月期(第4四半期)はさらなる鈍化が見込まれている。
中銀は声明で、世界的な景気低迷と主要中央銀行の金融引き締め政策により物価の上昇が抑えられると判断し据え置きを決めたと説明した。また、為替相場におけるズロチの変動を抑えるため市場に介入する方針も示した。
蘭ING銀は、ポーランドにディスインフレの傾向はみられるものの、要因となっているエネルギー価格の低下が今後も拡大する余地は小さいと指摘。今年末のインフレ率は中銀の予想を上回るリスクがあるとして、年内は利下げが行われないとの見方を示した。