ベルギー政府は9日、仏電力大手エンジーが運営する原子炉2基の稼働を10年延長することで同社と合意したと発表した。同国は2025年までに国内の原子力発電所を全て閉鎖する計画だったが、ロシアによるウクライナ侵攻に伴う電力不足に対応するため、3月に方針転換を発表していた。
ベルギーには北部アントワープ近郊のドール原発に4基、南部リエージュ州のティアンジュ原発に3基の原子炉がある。稼働期間を延長するのは、ドールの4号機とティアンジュの3号機。いずれも1985年に運転を開始し、発電容量は100万キロワットを超える。
今回の合意で、ドール4号機とティアンジュ3号機は35年まで稼働を続ける。エンジーとベルギー政府が折半出資で新設する合弁会社が運営する形に切り替わる。