英ヴァージン・グループ傘下の宇宙開発企業ヴァージン・オービットは9日、国内初の人工衛星を打ち上げたが、軌道に乗らず失敗に終わった。西欧で初の商用衛星打ち上げとして注目されていただけに、同社と英国にとっては痛手となる。
ヴァージン・オービットは昨年12月、英民間航空局(CAA)から衛星打ち上げのライセンスを取得。特別仕様の大型ジェット旅客機「ボーイング747」使って、衛星を搭載した2段式軌道ロケット「ランチャーワン」をスペースポート・コーンウォール(旧ニューキー・コーンウォール空港)から打ち上げることになっていた。
母機はスペースポート・コーンウォールを離陸し、高度3万5,000フィートの大西洋上でランチャーワンを発射した。しかし、システムの異常で軌道に達しなかった。政府と同社は早急に失敗の原因の究明を進める。
ヴァージン・オービットは12日、年内に打ち上げを再実施する意向を表明した。打ち上げ場所は本社がある米国のカリフォルニア州の基地に切り替える方針だ。