ルーマニア中銀が追加利上げ、引き締めサイクルは終了か

ルーマニア中央銀行は10日、政策金利を0.25ポイント引き上げ、7%とすることを決めた。利上げは6会合連続。インフレ率の低下が見込まれることから、過去5回(0.5~1ポイント)よりも小幅の利上げに留めた。市場は今回で利上げサイクルが終わるとみている。

貸出金利と預金金利もそれぞれ8%、6%へ、0.25ポイント引き上げた。

同国の昨年11月のインフレ率は16.76%となり、前月から1.44ポイント拡大した。これは2003年3月(17.1%)以来の高い水準。食品をはじめ商品価格全般の値上がりが大きいが、一方で石油価格の下落を受けて燃料価格の高騰に歯止めがかかりつつある。中銀は今後について、1-3月中に下がり始め、4月からは「大幅に速いペースで」低下し、7~9月期には10%を下回るとみる。年間インフレ率は7.3%との予想だ。

中銀は今回、金融市場に流動性をもたせるよう「しっかり管理」するというこれまでの文言を無くした。同国では昨年末に多額の財政支出が行われ、流動性に余剰が生じている。

今回の追加利上げについてキャピタル・エコノミクスのエコノミスト、リアム・ピーチ氏は、「利上げサイクルの終わりだと考えられる」とコメント。インフレ率は年後半に急激に下がる可能性が高いが、目標水準(2.5%前後)に戻るにはまだ時間がかかるとし、「中銀が利下げに転じることは考えられない」との見方を示した。

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