ミシュランのエアレスタイヤ「Uptis」、シンガポールでDHLと試験事業

仏タイヤ大手のミシュランは10日、独郵便・物流大手DHLの国際宅急便部門DHLエクスプレスと提携し、シンガポールでエアレスタイヤ「Uptis」の試作品を用いた試験走行事業を行うと発表した。同日を皮切りに、年末までに約50台の配達車両に順次装着し、ラストマイル配送における性能評価を実施する予定。

Uptis(Unique Punctureproof Tire System)は通常のタイヤと異なり、ホイールと接地面の間を樹脂製のスポークで接続している。チューブレスの構造上、空気漏れが起きずパンクの心配がないほか、空気を充填する必要がないためメンテナンス作業を省力化できる。原材料が少なく廃棄物も減らせることから、環境コストの低減につながる。

DHLは同タイヤを使うことでパンクや空気圧の問題を解消するだけでなく、タイヤ交換の頻度も下がるためフリート業務の生産性が高まると期待する。

ミシュランは2050年までに自社製タイヤの持続可能性を100%とする目標を掲げており、エアレスタイヤを中核技術の一つに位置付けている。同社はUptis製品により全世界で年最大2億本のタイヤ、または200万トンの材料廃棄を防げると試算している。

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