生産者物価が3カ月連続低下、エネ下落で12月は前月比-0.4%に

ドイツ連邦統計局が20日発表した12月の生産者物価指数(2015年=100)は前月比0.4%減の158.1となり、3カ月連続で低下した。過去最高となった9月(172.5)に比べると8.3%低い水準。物価を最も強く押し上げてきたエネルギー価格が急低下していることが大きい。

エネルギーは前月を1.0%下回り、これまでに引き続き下落した。下げ幅は天然ガスで2.2%、石油製品で7.1%に上った。電力は1.5%増となり、上昇へと転じている。エネルギーを除いたベースでは生産者物価が横ばいだった。

エネルギー以外では中間財が0.4%下がった。投資財は0.3%、耐久消費財は0.9%、非耐久消費財は0.5%上昇した。

生産者物価は前年同月比では21.6%上昇したものの、上げ幅は前月の28.2%から大幅に縮小した。統計開始後の最高となった8月と9月(ともに45.8%)に比べると24.2ポイント低い。

エネルギーの上昇率は41.9%となり、前月の同65.8%を大幅に下回った。天然ガスは52.0%(前月92.6%)で、再販事業者向けは41.3%(100.1%)、産業向けは36.4%(53.0%)、発電所向けは28.9%(43.9%)だった。

電力は46.8%(74.9%)で、再販事業者向けは75.6%(117.2%)、特別契約顧客向けは28.4%(61.6%)となっている。

石油製品は17.3%となり、前月の21.8%を下回った。灯油は47.2%(51.3%)、自動車燃料は14.1%(18.8%)。エネルギーを除いた生産者物価の上昇率は7.1%で、前月に比べ5.6ポイント低い。

中間財は12.3%増と大きく上昇したものの、上げ幅はこれまでに引き続き縮小した。ピーク時の4月は26.0%に上っていた。構成比重が大きい金属は10.8%(12.8%)を記録。銑鉄・鉄鋼・鉄合金は11.8%(16.1%)だった。肥料・窒素化合物は44.5%(74.9%)、穀物粉は34.7%(39.2%)となっている。

投資財の上昇率は前月を0.1ポイント下回る7.7%だった。全体を最も強く押し上げたのはこれまで同様、機械で9.8%(10.0%)を記録。押し上げ効果が二番目に大きかった自動車・自動車部品は5.6%(5.7%)に上った。上げ幅は食洗器で24.0%、エアコン・冷蔵庫・冷凍庫・ヒートポンプ・熱交換器等で19.0%と特に大きかった。

耐久消費財は11.9%となり、前月を0.8ポイント上回った。押し上げ効果が大きい家具は14.7%(13.3%)に上った。

非耐久消費財の上げ幅は前月の18.5%から18.1%に縮小した。食料品は23.5%(24.2%)で、砂糖は72.1%(54.8%)、豚肉は46.5%(42.5%)、牛乳は33.1%(34.7%)、コーヒーは25.1%(25.2%)、バターは24.5%(37.1%)だった。

22年は過去最高の32.9%に

一方、22年の生産者物価は前年を32.9%上回り、統計を開始した1949年以降で最大の上げ幅となった。エネルギーの上昇率が前年の24.8%から86.2%へと拡大。エネルギーを除いた同物価の上げ幅は14.0%(前年6.1%)だった。

エネルギーの上げ幅を製品分野別でみると、天然ガスは132.8%と3ケタ台を記録。電力は95.4%、石油製品は40.0%に上った。

中間財は19.4%となり、前年(12.4%)を7.0ポイント上回った。金属は26.5%、肥料・窒素化合物は90.9%、新聞用紙は89.7%に上った。

投資財は前年の2.0%から7.1%へと拡大した。機械は8.4%で、全体を強く押し上げた。

耐久消費財は9.7%だった。

非耐久消費財は前年(1.1%)の13倍の14.4%へと急拡大した。食料品は18.9%で、バターは61.4%、植物油は45.4%、コーヒーは27.0%、家禽を除く食肉は25.6%、砂糖は21.7%に上った。

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