生産者物価が前月比で4カ月連続低下

ドイツ連邦統計局が17日発表した1月の生産者物価指数(2015年=100)は前月比1.0%減の156.5(暫定値)となり、4カ月連続で低下した。過去最高となった昨年9月(172.5)に比べると9.3%低い水準。物価を最も強く押し上げてきたエネルギー価格が低下していることが大きい。

今回の統計には、政府支援を通して天然ガス、電力料金に上限を設定するルールが反映されていない。3月1日付で施行される同ルールは1月1日にさかのぼって適用されるものの、現時点でこれらの料金がどの程度になるかが数値化されていないため、統計局は同ルールを除いたベースで天然ガスと電力の価格を算出した。同ルールを加味したデータが事後的に発表されると、1月の生産者物価の下げ幅は拡大する見通しだ。

1月のエネルギー価格は前月を5.0%下回り、これまでに引き続き低下した。電力が15.5%下落し、全体が強く押し下げられた格好。天然ガスは0.9%、石油製品は0.5%上昇した。エネルギーを除いたベースでは生産者物価が1.4%上昇した。

エネルギー以外の財はすべて上昇した。上げ幅は中間財が1.0%、投資財が1.7%、耐久消費財が1.9%、非耐久消費財が1.8%となっている。

生産者物価は前年同月比では17.8%上昇したものの、上げ幅は前月の21.6%から縮小した。統計開始後の最高となった8月と9月(ともに45.8%)に比べると30.7ポイント低い。

エネルギーの上昇率は32.9%に上った。天然ガスは50.7%、電力は27.3%。石油製品は12.6%となり、前月の17.3%を下回った。灯油は28.8%(前月47.2%)、自動車燃料は10.5%(14.1%)となっている。エネルギーを除いた生産者物価の上昇率は10.7%で、前月に比べ3.6ポイント低い。

中間財は10.0%増と大きく上昇したものの、上げ幅はこれまでに引き続き縮小した。ピーク時の4月は26.0%に上っていた。中間財全体を最も強く押し上げたのはガラス・ガラス製品・セラミック・加工石材で、前年同月を24.4%上回った。このほか、穀物粉(32.5%)、化学基礎原料・肥料・窒素化合物(18.7%)などで上げ幅が大きかった。金属は5.8%、銑鉄・鉄鋼・鉄合金は4.1%と比較的、低水準だった。

投資財の上昇率は前月を0.1ポイント下回る7.6%だった。全体を最も強く押し上げたのはこれまで同様、機械で8.9%(9.8%)を記録。押し上げ効果が二番目に大きかった自動車・自動車部品は5.7%(5.6%)に上った。上げ幅は耕運機で17.6%、時計で16.1%と特に大きかった。

耐久消費財は10.8%となり、前月を1.1ポイント下回った。

非耐久消費財は前月の18.1%から17.9%へとやや縮小した。食料品は23.4%(23.5%)で、砂糖は71.5%(72.1%)、豚肉は45.3%(46.5%)、牛乳は33.4%(33.1%)、コーヒーは21.5%(25.1%)だった。

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