VWがBEV「ID.2」を公開、価格はグループ初の2.5万ユーロ未満に

自動車大手の独フォルクスワーゲン(VW)は15日、電気自動車(BEV)の小型モデル「ID.2」を初公開した。2025年に量産モデルを公開し、26年から販売を開始する計画。価格はVWグループのBEVではこれまでで最低の2万5,000ユーロ未満に設定する。低価格化で需要を掘り起こす狙いだ。

ID.2は出力が166キロワット(kW)で、航続距離は約450キロ(WLTP)。電池残量10%から80%への充電を約20分で行うことができる。外観は他のID.系モデルよりも、VWの小型車「ポロ」やコンパクトカー「ゴルフ」に似ている。スペイン工場で生産する考えだ。

BEVの需要は購入補助金の効果もあり欧州などで急増している。ただ、車両価格が内燃機関車よりも高額なことから、今後予想される補助金の縮小・廃止後も高い需要を確保するためには価格を引き下げる必要がある。米BEV大手テスラは先ごろ、低価格車を数年以内に投入する方針を表明した。生産コストの大幅引き下げを通して実現する。

VWもグループの大衆車ブランドで低価格車のラインアップを拡充する意向だ。2万ユーロ未満のモデル開発プロジェクトをすでに、チェコ子会社シュコダの主導で進めている。

VWは同日、欧州の新車販売に占めるBEVの割合を30年までに80%とする目標を打ち出した。21年に打ち出した目標(70%)を10ポイント上回る水準で、低価格BEVを増やすことがカギを握るとみられる。

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