食品の上げ幅がエネを上回る、コアインフレ率は上昇鈍化

ドイツ連邦統計局が10日発表した2月の消費者物価指数は前年同月比8.7%増となり、インフレ率は前月と同じ高水準にとどまった。同月は食料品の上げ幅がエネルギーを上回ったうえ、コアのインフレ率が一段と上昇しており、値上げの中心はエネルギーから他の商品分野に移行している。

エネルギーの上げ幅は19.1%と高水準に達したものの、前月の23.1%から低下した。エネルギー商品の国際市場価格がピークを超えたほか、国の助成で電力・天然ガス・地域熱に上限価格が適用されたことが大きい。エネルギーを除いたインフレ率は7.6%だった。

食料品の上げ幅は前月の20.2%から21.8%に膨らんだ。上昇率は砂糖(69.9%)、乳製品・卵(35.3%)、パン・穀物製品(24.3%)、食用油脂(22.8%)、魚・水産加工品(22.8%)などで大きかった。

エネルギーと食料品を除いたコアのインフレ率は5.7%となり、前月を0.1ポイント上回った。ただ前月は前々月を0.4ポイント上回っており、上昇のスピードは鈍化している。

食料品以外ではボディケア用品(15.1%)、ノンアルコール飲料(12.8%)、ビール(9.6%)、家具・照明器具(10.3%)、中古車(10.3%)などが大きく上昇した。

サービスは4.7%となり、前月を0.2ポイント上回った。上げ幅は住宅修理・メンテナンス(16.7%)、飲食(10.9%)で2ケタ台に上っている。

前月比のインフレ率は0.8%に上った。家庭用エネルギーはマイナス0.2%、自動車燃料はプラス0.1%と大きな変化がなかった。一方、食料品は2.4%上昇。野菜は12.5%に達した。

欧州連合(EU)基準のインフレ率は前年同月比が9.3%、前月比が1.0%。前月はそれぞれ9.2%、0.5%だった。

上部へスクロール