●中国ブランドは国産製品より高価なのにも関わらず需要が堅調
●吉利汽車、長安汽車、東風汽車などが続々とEVを投入
国有企業ウズオート(UzAuto)が独占してきたウズベキスタン自動車市場に、中国国有の奇瑞汽車(チェリー)が参入した。昨年10月には現地のADMジザフ工場で生産する「瑞虎(ティッゴ)」の3モデルを正式に発売。ニュースサイト「bneインテリニュース」の調べによると、新車販売のおよそ10%を占めているという。
ウズオート製品より高価なのにも関わらず需要が堅調なのは、今までとは違うモデルが欲しいという消費者の気持ちに理由があるようだ。電動車(EV)やハイブリッド車(HV)を手の届く値段で買えるのも追い風となっている可能性がある。
中国自動車メーカーのウズベキスタン進出は活発化しており、比亜迪汽車(BYD)は先ごろ、ウズオートと提携して現地工場を設置することを決めた。奇瑞もハイエンドブランド「星途(EXEED)」を現地生産する方針を発表済み。北汽福田汽車は現地の中国系企業ウルムチ新禧新盛國際貿易と合弁し、中型トラックとミニバスを「ウズ福田(UzFoton)」ブランドで生産する計画だ。長安汽車は「欧尚(Oshan)}ブランド車を現地生産して販売することになっている。
吉利汽車の「捷途(Jetour)」、長城汽車の「哈弗(Haval)」、中国第一汽車の「紅旗(Honggi)」、小鵬汽車(XPeng)、長安汽車、東風汽車などEVブランドもウズベキスタンに販売店をオープンした。吉利は「吉利(Geely)」ブランドのEVも発売する計画だ。
ウズオート(旧GMウズベキスタン)は1993年の創業。ゼネラルモータースと提携し、さまざまなシボレー車を組み立て生産(コンプリートノックダウン生産:GKD)している。アンディジャン州のアサカとホラズム州のピトナク(Pitnak)で工場を操業する。カザフスタンとアゼルバイジャンにも組み立てラインがある。
ウズベキスタンは、自動車に120%の輸入関税をかけることで、実質的に輸入車を排除している。