独企業景況感5カ月連続改善、景気に対する金融不安の影響なし

Ifo経済研究所が27日発表した3月のドイツ企業景況感指数(2015年=100)は前月を2.2ポイント上回る93.3へと大きく上昇した。同指数の改善は5カ月連続。クレメンス・フュスト所長は「国際的な銀行数行の混乱にもかかわらず、ドイツの景気は安定している」と明言した。

今後6カ月の見通しを示す期待指数が2.8ポイント増の91.2と特に大きく伸びた。現状判断を示す指数も1.5ポイント増えて95.4となった。

部門別でみると、製造業の景況感指数は大幅に増加した。現状判断が大きく改善。事業が今後、悪化するとの回答はほぼなくなった。主要産業の自動車、化学、電機、機械では景況感の改善が目覚ましい。

サービス業の景況感指数はこれまでに引き続き上昇した。現状判断が大幅に改善。期待指数は22年2月以来の高水準に達した。売上増を見込む企業が増えている。

流通業では現状判断と期待指数がともに緩やかな改善にとどまった。小売では先行きを悲観する企業が依然として多い。

建設業は現状判断がやや悪化、期待指数がやや改善だった。景況感指数は前月をやや上回ったものの、数値は極めて低い。

輸出期待指数やや改善も水準は低く

一方、Ifoが28日に発表した3月の独製造業輸出期待指数(DI)は前月を0.5ポイント上回る4.0ポイントへと上昇し、2022年2月以来の高い水準となった。同指数の改善は2カ月ぶり。ただ、水準自体は依然として低く、調査担当者は、世界の景気低迷を受けて輸出には勢いがないとの見方を示した。

Ifoは月例の企業景況感調査の一環としてメーカーおよそ2,300社に今後3カ月の輸出見通しを質問している。メーカーは「増える」「横ばい」「減る」のどれかを選んで回答。「増える」の回答比率から「減る」の回答比率を引いた数に季節調整を加味したものが輸出期待指数となる。同指数がプラスの領域にあることは、輸出増回答が輸出減回答を上回っていることを意味する。

輸出期待指数はコロナ禍初期の20年4月にマイナス47.6ポイントと極端に低い水準に落ち込んだものの、その後は上昇基調が続き、21年2月には11.7ポイントまで回復。22年2月までは一貫してプラス2ケタ台が続いていた。だが、ロシアのウクライナ進攻を受けて22年3月にマイナス3.6ポイントへと急低下し、同4月以降も0ポイントをまたいだ低空飛行が続いている。

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