フォルクスワーゲン―米工場建設費用の3分の2を州が助成―

独自動車大手フォルクスワーゲン(VW)の米子会社スカウト・モーターズがサウスカロライナ州に建設する電気自動車(BEV)工場に補助金12億9,000万ドルを交付する法律に、ヘンリー・マクマスター知事が20日、署名した。同工場の建設費用は20億ドルであることから、その65%を補助金で賄うことになる。スカウトのスコット・キーオ社長は「米国で工場を建設するのに今ほど良い時代はない」と明言した。

スカウトは先ごろ、工場用地を州都コロンビアの周辺に確保した。今年半ばに着工し、2026年末から生産を開始する計画だ。年産能力は20万台で、4,000人超の雇用を見込む。同州はスカウトの雇用実績に応じて最大1億8,000万ドルの税控除も認めることから、同地に進出する財務上のメリットは大きい。

スカウトが巨額の公的支援を受ける背景には、米インフレ抑制法(IRA)の成立を受けて各州がBEV工場の誘致競争を繰り広げていることがある。同社は計12州の74カ所に上る候補地のなかからコロンビア周辺に白羽の矢を立てた。

キーオ氏は車載電池分野でも工場を建設し、IRAの助成措置を受ける意向を表明した。電池工場計画の詳細については明らかにしていない。

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