トルコの3月インフレ率50.51%、5カ月連続で低下

●高水準だった前年同月との比較によるベース効果が大きい

●中銀は政策金利を8.5%に据え置き

トルコ統計局(TUIK)が3日発表した3月の消費者物価指数(CPI)の上げ幅は前年同月比で50.51%となり、市場予測の51.3%を下回った。インフレ率の低下は5カ月連続で、前月の55.18%から一段と縮小した。エネルギー価格の下落に加え、比較対象となる前年同月のインフレ率が61.15%と高水準だったことによるベース効果が大きい。

上昇率を分野別にみると、「運輸(自動車燃料含む)」で前月の44.9%から28.7%に縮小したほか、構成比重の大きい「食品・非アルコール飲料」で1.4ポイント減の67.9%、「住居費・公益料金」で0.2ポイント減の55.9%に低下し、全体を押し下げた。

中央銀行は2月に発生した大地震の影響を踏まえ政策金利を9%から8.5%に引き下げた。前回会合では据え置きを決めている。蘭ING銀は今後数カ月のインフレ率について、比較対象の前年同月が70%~80%の高水準で推移しており、強力なベース効果が続くと指摘。一方、実質金利の大幅なマイナスにより貨幣価値が目減りすることを考えると、今以上のディスインフレは望めないとの見方を示した。

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