シェルが再エネ・低炭素事業を再編、下流部門との統合で基盤強化

英石油大手シェルは3月30日、再生可能エネルギー事業と低炭素事業を分割する組織再編を発表した。2022年末で退任したベン・ファン・ブールデン最高経営責任者(CEO)の後任として、1月に就任したワエル・サワン新CEOの下で進める収益向上に向けた改革の一環。

広報担当によると、デンマークの再生可能エネルギー大手オーステッドから21年に入社したトーマス・ブロストローム再生可能エネルギー発電担当上級副社長が、全世界の再生可能エネルギー事業と低炭素事業を統括する体制を変更。風力や太陽光発電事業はシェルエナジーの地域責任者の下に置き、バイオ燃料や炭素回収事業などは低炭素事業部として切り離して下流・再生可能エネルギー部門の1ユニットとして運営する。

サワン氏は1月末、石油・ガス生産部門と液化天然ガス(LNG)部門を統合する一方、再生エネルギー事業を石油精製・輸送・販売などの下流部門に組み込む再編計画を発表していた。

広報担当者は今回の決定について、再生エネルギー事業を下流部門に統合することで、低炭素および脱炭素エネルギーに関連したすべての要素を集約して事業基盤を強化することができるとコメントした。

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