スペイン電力大手、メキシコの発電資産の大半を政府に売却

スペインのエネルギー大手イベルドローラは5日、メキシコで保有するガス火力発電所など発電資産をメキシコ政府が出資する投資信託に約60億ドルで売却することで合意したと発表した。同資産は事実上、国有化されることになる。

売却するのは12カ所のガス火力発電所と、1カ所の風力発電所。イベルドローラのメキシコ国内での発で容量の77%に上る。5カ月以内の取引完了を見込む。

イベルドローラはエネルギー資産の国有化を掲げるロペス・オブラドール大統領の求めに応じて、同資産の売却を決めた。これらの発電所は国営電力会社CFEが運営する。これによってCFEの国内発電市場のシェアは約40%から55.5%に拡大する。

同社は資産売却で得た資金を米国、欧州事業の強化に充てる。米国では脱炭素化プロジェクトに政府が助成するインフレ抑制法(IRA)の成立を受けて、投資を拡大する計画だ。

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