欧州委員会動向、EU域内産業・サービス・政策をウオッチ

2023/4/24

EU情報

欧州半導体法案、加盟国と欧州議会が合意

この記事の要約

EU加盟国と欧州議会は18日、域内での半導体製造拡大を支援する「欧州半導体法案」の内容で合意した。2030年までに官民で430億ユーロを投じ、開発拠点や生産設備の増強を後押しするほか、有力メーカーの誘致にも力を入れ、アジ […]

EU加盟国と欧州議会は18日、域内での半導体製造拡大を支援する「欧州半導体法案」の内容で合意した。2030年までに官民で430億ユーロを投じ、開発拠点や生産設備の増強を後押しするほか、有力メーカーの誘致にも力を入れ、アジアの依存度を下げて安定供給を確保する。

EUは世界での半導体生産シェアを現在の約10%から30年に20%以上まで引き上げる目標を掲げている。世界的な半導体の供給不足や、域内供給の多くを東アジアからの輸入に依存している現状を踏まえ、域外への依存度を下げて供給体制を強化するとともに、半導体分野で欧州が競争力を高めることが同法の狙い。欧州委員会が22年2月に発表していた。

430億ユーロの資金は、半導体工場の設立や半導体関連の研究・開発などに助成金の形で交付される。EUと加盟国が拠出する公的支援は62億ユーロ。うち33億ユーロはEU予算から配分する。

欧州委の原案では、革新的な半導体の製造だけが助成対象となっていたが、加盟国は22年11月に旧式を含む幅広い半導体や設計などバリューチェーン全体を支援する修正案をまとめた。これを欧州議会側が受け入れ、合意に漕ぎつけた。

今回の合意案は、加盟国と欧州議会がそれぞれ最終承認した上で発効となる。