オランダ政府は14日、医師による安楽死を12歳未満の子どもにも認めることを閣議決定したと発表した。緩和ケアを受けても苦痛を和らげることができず、回復の見込みがないなどの条件を満たしたうえで、これまでは12歳以上に限定されていたが、今後は年齢に関係なく安楽死が認められるようになる。
カウパース保健相は声明で「非常に複雑な問題で、誰も望まない悲惨な状況を扱っている。すべての関係者との協議を通じ、解決策を見いだせたことをうれしく思う」と述べた。
オランダでは2002年に安楽死が合法化され、一定の条件下で12歳以上の安楽死が認められている。ただし、16歳未満は保護者の同意が必要。政府の統計によると、22年は8,700人以上が安楽死の処置を受けており、大半が末期がんの患者だった。
ベルギーでは14年に世界で初めてすべての子どもに安楽死を認める法改正が行われた。安楽死はルクセンブルクやカナダなどでも条件付きで認められている。