ロシア版iPhoneが不人気、値下げ販売に

ロシアのロステックグループが米アップルのiPhoneに代わる国産スマホとして発売した「AYYA T1」の販売が絶不調のもようだ。2021年10月の市場投入以来の販売累計は905台にとどまっている。

現地経済紙ヴェドモスチによると、同社は売れ残りをさばくため、小売価格を1万1,000ルーブル(約140米ドル)と、採算割れにならないぎりぎりの水準あたりまで引き下げられている。

「AYYA T1」の生産台数は5,000台。このうち約2,000台が警察や原子力公社(ロスアトム)など政府系機関で使われている。ただ、小売業者のなかには「販売数の過半数が公務員に納入された」として、個人顧客に販売できる数が限られていたという声もある。

ロシアはセキュリティ上の問題を理由に、政府関係者のiPhone使用を4月1日から禁じたばかり。「AYYA T1」は、盗撮盗聴防止機能を装備したセキュリティ性の高いスマホとして販売されている。 統計サイトのスタティスタによると、ロシアの22年1~9月期スマホ市場シェアはシャオミ(小米)が35%で1位。2位のサムスン(15.1%)、5位のアップル(7.3%)を除くと、トップ10のうち8ブランドが中国企業で占められている。

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