輸入物価が下落に転換、3月は前年同月比-3.8%に

ドイツ連邦統計局が28日発表した3月の輸入物価指数(2015年=100)は130.8となり、前年同月を3.8%下回った。同物価の低下は21年1月以来で2年2カ月ぶり。比較対象の22年3月はロシアのウクライナ進攻開始直後で輸入価格が高騰していた。今年3月はそのベース効果で物価を強く押し上げる要因がなくなったうえ、物価高騰の最大の原因となっていたエネルギー価格が大幅に低下したことから、指数が下落へと転じた。

エネルギーは前年同月を27.3%割り込んだ。下落幅は電力で59.9%、石炭で35.8%、天然ガスで25.4%、石油製品で24.4%に達した。エネルギーを除いたベースでは輸入物価が2.5%上昇した。

中間財も1.9%減となり、前月の2.6%増からマイナスへと転じた。下げ幅は肥料・窒素化合物で37.7%、プラチナとその他の貴金属で34.4%、カルボン酸と誘導体で24.7%、アルミニウムで10.9%と特に大きい。スターチとスターチ製品(+65.7%)、砕木パルプ・セルロース(+19.2%)、紙・厚紙(+15.5%)は大きく上昇した。

非耐久消費財は6.7%上昇した。上げ幅は食料品で14.0%を記録。果物・野菜製品は17.7%、食肉・肉製品は13.9%、牛乳・乳製品は9.6%だった。豚肉は35.0%に上った。

耐久消費財は6.2%。

投資財は5.7%だった。自動車・自動車部品と機械はそれぞれ7.1%となっている。

農産物は2.4%。豚が43.9%、卵が42.7%上昇したのに対し、天然ゴムは28.4%、穀物は14.5%、コーヒー生豆は9.6%低下した。

輸入物価指数は前月比では1.1%減となり、7カ月連続で下落した。ピーク時の昨年8月(149.1)に比べると12.3%低い水準だ。エネルギーは前月比で5.8%低下。中間財(-0.4%)と農産物(-2.1%)も下がった。非耐久消費財と耐久消費財は各0.2%、投資財は0.3%上昇した。

輸出物価指数は前年同月比2.3%減の123.5となり、上げ幅はこれまでに引き続き縮小した。押し上げ効果が最も大きかったのは構成比重が約46%に上る投資財で、上昇率6.1%を記録。機械は8.7%、自動車・自動車部品は5.0%だった。

比重が同約33%に上る中間財も4.0%上昇した。上げ幅はガラス・ガラス製品(17.6%)、電気装置(8.4%)、紙(6.2%)で大きかった。

エネルギーは42.5%低下した。下げ幅は電力で59.9%、天然ガスで54.5%、石油製品で21.0%に上る。

輸出物価は前月比では0.2%下がり、3カ月連続で低下した。過去最高となった昨年8月に比べると4.0%低い。

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