3月のユーロ圏インフレ率、確定値も6.9%

EU統計局ユーロスタットが19日に発表した3月の消費者物価統計によると、ユーロ圏のインフレ率(確定値)は速報値と同じ前年同月比6.9%となり、前月の8.5%から1.6ポイント低下した。インフレ率の鈍化は6カ月連続。22年2月以来の低水準まで縮小した。(表参照)

記録的な物価高に歯止めがかかったのは、高騰が続いていたエネルギー価格の低下。前月は13.7%の上昇だったが、0.9%の低下となり、上昇率がマイナスに転じた。

ただ、これまでのエネルギー高が他の分野にも波及しており、工業製品は6.6%、サービスは5.1%と高水準で推移。欧州中央銀行(ECB)が金融政策決定で重視する基礎インフレ率(価格変動が激しいエネルギー、食品・アルコール・たばこを除いたインフレ率)は前月を0.1ポイント上回る5.7%となり、過去最高を更新した。

このため、2022年7月から6会合連続で利上げを実施したECBが、次回の定例政策理事会(5月4日)に追加利上げを決めるのが必至の情勢だ。市場では上げ幅に関して、理事会の2日前に発表される4月のインフレ率がどうなるかによって左右され、0.25ポイントまたは0.5ポイントになるとの見方が出ている。

EU27カ国ベースのインフレ率は、前月を1.6ポイント下回る8.3%。主要国はドイツが7.8%、フランスが6.7%、イタリアが8.1%、スペインが3.1%だった。

上部へスクロール