セガサミーホールディングスは17日、人気モバイルゲーム「アングリーバード」などを手がけるフィンランドのロビオ・エンターテインメントを7億ユーロ(約1,036億円)で買収すると発表した。急成長する世界のゲーム市場でセガのプレゼンスを高めるには、ゲームの開発体制と運営能力を継続的に強化することが不可欠と判断した。ロビオの買収で知的財産(IP)を強化するとともに、モバイルゲームの運営ノウハウを活用してグローバル市場で成長を加速させる。
英子会社のセガヨーロッパを通じてロビオを買収する。5月に1株9.25ユーロで株式公開買い付け(TOB)を実施し、全株取得を目指す。TOB価格は14日の終値に19%上乗せした水準。すでにロビオの発行済株式及び議決権の合計49%超を保有する複数の株主から、TOBに応募する旨の同意を得ているという。
ロビオは2003年設立で、09年にアングリーバードの提供を開始した。同ゲームは大ヒットし、アップルのアプリ配信サービス「アップストア」で最も人気の高いゲームの1つとなった。また、アングリーバードのヒットを受け、ロビオのモバイルゲームは22年にダウンロード数が累計50億に達した。
セガサミーホールディングスの里見治紀社長は「成長が著しいグローバルゲーム市場において、特に今後のポテンシャルが大きいモバイルゲームの展開を加速させて行くことはセガにとって長年の悲願だ。(セガとロビオの)ブランド、キャラクターやファンベース、各々の企業文化や機能が組み合わさることで大きなシナジーが発揮されると確信をしている」とコメントした。