英政府統計局(ONS)が19日に発表した3月のインフレ率は前年同月比10.1%となり、前月の10.4%から0.3ポイント縮小した。インフレ率の鈍化は2カ月ぶり。ただ、食品の値上がりが激しく、インフレ率は西欧諸国で最高の水準となっており、英中央銀行のイングランド銀行が追加利上げを実施するのが確実と目されている。
英国のインフレ率はエネルギー価格高騰が一服したため、22年11月から3カ月連続で鈍化。2月は前月を0.3ポイント上回る10.4%に拡大した。3月は再び鈍化したものの、食品・非アルコール飲料が19.1%も値上がりした。1977年8月以来の高水準だ。また、食品、エネルギーなどを除く基礎インフレ率は6.2%で、高止まりしている。
イングランド銀行は物価高に対応するため、3月まで11会合連続で政策金利を引き上げた。3月の利上げの際は、インフレ率が4~6月には急激に縮小するとの見通しを示し、利上げ終了の可能性を示唆したが、3月のインフレ率が予想を上回ったこともあり、市場では5月に追加利上げするとの見方が大勢だ。