持続可能な航空燃料の使用義務化へ、欧州議会と閣僚理が基本合意

欧州議会と閣僚理事会は4月25日、欧州連合(EU)域内の空港で使用する航空燃料について、持続可能な航空燃料(SAF)の比率を2030年までに70%とすることなどを柱とする法案の内容で基本合意した。欧州議会と閣僚理の正式な承認を経て新ルールが導入される。

欧州委は21年7月、30年までに域内の温室効果ガス排出量を1990年比で少なくとも55%削減する目標を達成するための政策パッケージ「Fit for 55」の一環として、航空燃料のグリーン化に関する法案を発表した。欧州議会は22年7月、50年のSAF比率を85%に引き上げるなど、欧州委案を大幅に厳格化した修正案を可決したが、一部の加盟国と航空業界が難色を示し、閣僚理との間で合意形成に向けた交渉が続いていた。

SAFには「eフューエル」と呼ばれる合成燃料のほか、農産物や木材、藻類、使用済み調理油などを原料とするバイオ燃料(食料・飼料用作物やパーム油などは除く)、グリーン水素が含まれる。

合意内容によると、域内の空港に燃料を供給する事業者に対し、全体に占めるSAFの割合を25年までの2%から、30年までに6%、35年までに20%とし、50年までに70%に引き上げることを義務付ける。また、合成燃料については別途、数値目標を設定し、燃料全体に占める割合を30年までに1.2%、32年までに2%、35年までに5%、50年までに35%に拡大するよう求める。

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