仏トタル、カナダのオイルサンド事業から撤退

仏エネルギー大手のトタルエナジーズは4月27日、カナダのオイルサンド(石油成分を含む砂岩)事業を同国石油大手サンコール・エナジーに売却することで合意したと発表した。売却額は最大45億5,000万ドル。9月末までの売却手続き完了を見込む。

売却するのはアルバータ州のフォートヒルズ、サーモントのオイルサンド開発事業。フォートヒルズの全権益、サーモントの権益50%を持つ現地法人トタルエナジーズ・EPカナダをサンコールに41億ドルで譲渡する。売却額には原油価格の上昇などに応じて最大4億5,000万ドルが上乗せされる。

カナダではオイルサンド事業を手がける海外企業の撤退が相次いでいる。掘削したオイルサンドからビチューメンを抽出する際に大量の二酸化炭素(CO2)が排出され、脱炭素化の流れに逆行するためだ。英BPは2022年、アルバータ州で展開するオイルサンド事業を現地のセノバス・エナジーに売却した。

トタルエナジーズは当初、トタルエナジーズ・EPカナダを分離上場する計画だったが、サンコールから妥当な価格での買収を持ち掛けられたことから、売却を決めた。

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